顔に鋭い痛みが生じる三叉神経痛という病気をご存じでしょうか。
三叉神経痛とは、歯を磨いたり、顔を洗ったりするなどの日常動作がきっかけとなって顔面に鋭い痛みを感じるとても厄介な病気です。三叉神経は脳内から顔表面まで伝わる神経なのですが、脳内では神経が3つの枝に分かれており、顔面の各部位の感覚(目やおでこ付近、主に頬付近、主に顎周囲)を司っています。
今回は、この三叉神経痛の症状や原因などを中心に説明します。
「三叉神経痛の前兆となる2つの初期症状」はご存知ですか?原因も医師が解説! | メディカルドック (medicaldoc.jp)
通常は片側の顔面の短時間の痛みですが、特定の動作を行うと何度も繰り返すため、日常生活に支障をきたします。三叉神経痛の多くは突然発症しますが、鈍い痛みや歯の痛みが現れてから激しい痛みが生じることもあります。
虫歯や歯周炎などがある場合に適切な歯科治療を受けても歯の痛みが改善されないことから、三叉神経痛が疑われて受診されるケースが散見されます。
また、頬や歯、顎に鈍い痛みや違和感がなんとなくある状態で過ごしているうちに、突然顔面の激しい痛みが生じるという経過が見られることがあります。
三叉神経痛の主な原因は、脳血管の三叉神経への圧迫であるといわれていますが、ほかにも腫瘍や炎症などの病気がかかわっている可能性があります。ただし、画像検査や血液検査などのいろいろな検査を行っても原因がわからないケースもあります。
市販の痛み止めでは改善しないのが三叉神経痛の痛みなので、顔面の痛みでお悩みの場合には、早めに脳神経内科や脳神経外科への受診をして相談してください。