痛風

痛風について

痛風痛風は、体内に尿酸が溜まった状態で、尿酸が結晶となって関節に沈着することで関節炎を起こす疾患です。痛風の患者さんの約99%が男性で、一般的に仕事盛りの中高年男性に多い「贅沢病」とされてきました。最近では30代で発症する人が多く、痛風患者の若年化が目立っています。痛風患者さんに見られる性格の傾向としては、活発な性格で仕事も遊びも積極的で、よく食べてよく飲むといったようにエネルギーの出し入れが高い人とされます。美食やアルコールなどによる中年太りが、発病の引き金となるため注意が必要です。ただし、これらを控えるだけでは痛風の治療とはならないため、医師の診断と適切な治療を受けることをお勧めしています。気になる症状がある場合は、どうぞ当院までお気軽にご相談ください。

痛風の症状

関節炎からの酷い痛みと、足指の腫れが主な症状です。一連の関節炎からの痛風発作はごく一部の症状に過ぎず、尿素が体内に異常に溜まり、次第に内臓が蝕まれていくため軽視できません。痛風発作は、尿酸血症が関節に沈着して起こりますが、病状が進行すると腎臓に沈着することで障害を起こしてしまいます。発作の痛みが消えたら痛風が治ったというわけではなく、知らぬうちに内臓を蝕んでしまいます。

痛風の対処や予防

痛風発作や腎臓障害のいずれも、体内の尿酸が多いのが原因です。尿酸の数値を正常にコントロールすることで、痛風発作や様々な症状を防ぐことができます。体内に沈着した尿酸を除去するには、食生活の改善だけでは難しいため、薬物療法によって治療を行います。体内の尿酸量を正常値にコントロールし続ける必要があるため、痛風発作がない期間もずっと治療を続けなければなりません。痛風は、治りにくい疾患とされていますが、このように尿酸量のコントロールによって対処や予防が可能な疾患です。

痛風の発作

関節が赤くなって腫れ上がり、激しい痛みに襲われます。足親指の関節に症状が現れ、そのほかの部位では足首・足の甲・アキレス腱の付け根などにも痛みが現れます。だいたい1週間前後で発作が治まります。一度にひとつの関節だけが痛むというのが大きな特徴です。そのほかの主な特徴は以下の通りです。

忘れた頃に発作が起きる

痛風は発作がないときは全く症状がありません。無症状なのでつい忘れて過ごしてしまいますが、必ず発作が再発します。発作と発作までの期間は、人によってそれぞれ異なります。1週間で起こる場合もあれば、数年経って発作が再発する場合もあります。

次第に重症化する

痛風発作は、繰り返すうちに症状が重症化します。次第に発作までの間隔が短くなって、腫れや痛みも強くなってきます。また、1度の発作時に2つ以上の関節に発作が生じたり、足のほかに膝・手首関節などに発作が現れて、激しい痛みに襲われます。

繰り返すうちに広がる合併症

痛風結節

かなり病状が進行してくると、尿酸の固まりが足指や肘関節・耳介などにできます。

尿路結石

一般の人よりも痛風のある方は尿路結石ができやすいとされます。時には、激しく背中が痛み、血尿が出ます。

放置すると腎不全に

痛風患者さんの中には、腎臓に溜まってしまった尿酸によって腎臓機能を失い、腎不全を引き起こしてしまう方もおります。尿酸をコントロールする薬のなかった時代には、その腎不全で命を落としてしまうこともありました。現在では、尿酸をコントロールする薬によって腎不全を防ぐことが可能になっています。

痛風と成人病

痛風の方は、高血圧・高脂血症・肥満などを合併しやすく、動脈硬化となりやすい体質です。痛風の治療として、尿酸値をコントロールしながら、これらの成人病の治療や予防を行う必要があります。まずは、血液検査で尿酸値を調べます。体内の尿酸は、血中に溶けているため、血清尿酸値(血液中の濃度)が尿酸量の指標となります。高尿酸血症と呼ばれるのは、血清尿酸値が約7mg/dlを超えた状態となります。尿酸が結晶になって、痛風になりやすい状態です。飲みすぎ・食べ過ぎ・肥満・運動不足・ストレス・体質的に腎臓が尿酸を出す力が弱いなど、さまざまな要因がいくつも重なって痛風を引き起こします。さらに、血液疾患や悪性腫瘍・腎臓病や利尿剤なども高尿酸血症を招く要因となります。
一方で、自覚症状がなくても血清尿酸値が9mg/dl以上の高い数値で腎臓障害がある場合は、薬物療法を行う必要があります。

痛風の治療

Phase1.対症療法

第1段階では、痛風発作を抑える薬で治療を行います。発作の起こり始めに前兆症状がある場合は、コルヒチン1錠が有効とされ、痛風発作時には、消炎鎮痛剤を短期間のみ使用します。尿酸値を下げる薬は、酷くなる場合があるため痛風発作が治まってから使います。

Phase2.原因療法

第2段階で、痛風発作の元となる尿酸値を低く抑える薬(アロプリノール)と、尿酸を尿中に排出しやすくする薬(ベンズブロマロン・プロベネシド)を用いて治療します。症状や合併症の有無などから、適切な薬を処方します。

Phase3.健康管理

痛風の方は、高血圧・高脂血症・肥満などを合併しやすく、動脈硬化になりやすい体質です。第3段階では、合併症を予防するために、体重制限などのセルフケアと、高脂血症治療剤や降圧剤などを用いて成人病の発病を予防します。

Phase4.生涯治療

痛風は、発作のない無症状の期間にも少しずつ病状が進行する疾患です。痛風発作がないときは無症状であることから、痛風を忘れて過ごすことができ、治療が中断するケースが多く見られます。痛風の治療は発作時の痛みを取り除くだけではなく、尿酸値を正常範囲に維持し続けることが重要です。さらに、腎臓障害や成人病の合併を予防する必要があります。このため、痛風は生涯治療を行うという認識で治療に取り組んでください。

お薬の服用に際する注意点

尿酸を下げる薬を服用すると、尿酸が少しずつ溶けるため、逆に痛風発作が起こることがあります。治療開始後3カ月以内に起こることがよくあります。しばらく治療をしなかった人に多く見られ、痛風治療においてはどうしても通らなければならないとし、医師の指示に従って、治療を継続しましょう。

血清尿酸値を定期的に測定

医師のもと、定期的に血清尿酸値を測定し、必要に応じて薬の量を調整します。それと同時に、高脂血症や高血圧などの合併症の有無をチェックするなど、医師の管理が必要です。

尿酸を下げる薬を飲み続けましょう

発作がなく、症状がない時でも尿酸値を下げる薬は継続して服用しましょう。自己判断で量を減らしたり、止めたりすると血清尿酸値はすぐに高くなってしまいます。

尿のアルカリ化

尿が酸性の状態だと、尿素が溶けにくいため尿路結石を引き起こしてしまいます。尿をアルカリ性にする薬を用いて治療を行うほか、日常生活においても海藻や野菜・牛乳などのアルカリ性食品をしっかりと摂取しましょう。

痛風と食事制限

痛風の場合、総カロリー制限を行います。多種類食品をバランスよく摂り、摂取カロリーを抑えます。痛風発作が起きている時は、特にプリン体を多く含む食品は避けてください。とくに、プリン体を多く含むビールなどを始めとするアルコールを控えてください。

日常生活における注意点

痛風の方が、日常生活において行うセルフケアは以下の通りです。血清尿酸値を下げ、高血圧・高脂血症の合併を防ぎます。

肥満

体重が急激に増えると血清尿酸値が上がります。体重が減ると尿酸値が下がるため、肥満には十分気を付けてください。

アルコール

アルコールは血清尿酸値を上昇させてしまいます。特に、ビールにはプリン体が多く含まれているため、控えてください。

水分摂取

尿酸は、腎臓から尿中に排出されるため、水分をしっかりと摂って尿量を増やすことで、尿酸を多く排出することができます。十分な水分摂取を心がけましょう。

適度な運動

散歩や軽いジョギングなどの有酸素運動は尿酸値を上げません。また、肥満解消にも効果があります。1日20分ほど歩くなどがお勧めです。激しい運動などは無酸素運動となり、体内の血清尿酸値が一時的に高くなるため注意してください。

ストレス

痛風の人の性格の傾向として、仕事にも遊びにも積極的・行動的である反面、エネルギーが高く、攻撃的で協調性に欠けるとされています。緊張や興奮など、過度の精神的ストレスは、血清尿酸値を上昇させるため、ストレスを溜めない・発散することを心がけましょう。

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