生活習慣病

生活習慣病は、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを上昇させます

高血圧や糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病は、ある日突然脳卒中や心筋梗塞などの重篤な発作を起こす可能性があります。とくに、複数の生活習慣病がある場合や、メタボリックシンドロームの場合は、検査数値が悪くなくても全身の血管の動脈硬化が進行しやすいので注意が必要です。偏った食生活や運動不足、慢性的な睡眠不足などの生活習慣の乱れは、日頃はなにも症状がなくても長い期間で続けば、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を発症させてしまいます。生活習慣病は、全身の血管に大きな負荷をかけ続け、突然脳卒中や心筋梗塞などの深刻な発作を引き起こします。こうなるまでに自覚症状がほとんどないため、健康診断などで生活習慣病を指摘された場合は、必ず早めに受診するようにしましょう。早めの診察を受けることで、早期発見と適切な治療を行い、数値をしっかりとコントロールすることが大切です。
生活習慣病の治療は、生活習慣の改善が基本ですが、時間がかかり、ちょっとした気のゆるみで進行させてしまうことがあります。定期的に動脈硬化の進行状態を調べることで、無症状の段階でも脳血管障害などの早期発見が可能です。
当院では、生活習慣病の方や血縁者に脳血管障害を発症した方がいる方、健康診断で精密検査が必要と指摘された方、脳血管状態に不安のある方には、頭部MRI検査をお勧めしています。

高血圧

高血圧血圧は、血管の内側にかかる圧力を測って測定します。高血圧は、血圧値が上昇し正常値を超えた状態が続くことを指します。高血圧が続くと、血管に大きな負荷がかかり動脈硬化を進行させてしまいます。また、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳卒中、狭心症や心筋梗塞、腎臓病などの発症リスクを高めてしまうので注意が必要です。高血圧の原因としては、塩分の過剰摂取、肥満、ストレス、遺伝、運動不足などが挙げられます。2019年に、高血圧治療ガイドラインが改訂され、75歳未満の成人では診療室の血圧で130/80mmHg以下、自宅では125/75mmHg以下、75歳以降の成人では診療室の血圧で140/90mmHg以下、自宅では135/85mmHg以下となりました。ほかの疾患を併発している場合は、さらに厳しい数値が求められます。血圧が高めだと気づいた方は、早めに受診するようにしてください。

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脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症血液中の脂肪分が多過ぎる状態、あるいは少なすぎる状態を脂質異常症と言います。悪玉コレステロール(LDL-C)や中性脂肪(TG)が基準値よりも高すぎても、善玉コレステロール(HDL-C)の値が低すぎても、血管内に脂質が蓄積しやすく、動脈硬化を引き起こす要因となります。このため、動脈硬化によって発症しやすい脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、狭心症、心筋梗塞のリスクが高まります。主な原因は、生活習慣病の乱れによる高カロリー、高脂肪などの偏った食事、肥満、運動不足などです。また、女性は加齢によるホルモンバランスの変化によっても発症しやすいとされています。生活習慣病とともに、脂質異常症は、はっきりとした自覚症状がほとんどありません。知らないうちに脂質異常症や動脈硬化が進行して重篤な病気を発症するケースも多いため、注意が必要です。

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糖尿病

糖尿病血液中に含まれるブドウ糖が過剰になって、血糖値が慢性的に高くなる状態を糖尿病と言います。私たちが食事をすると血糖値が上昇します。血糖値が上がると膵臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンによって、血糖値を一定に保ちます。
糖尿病は、「1型」と「2型」とに分けられ、全体の約98%の糖尿病は、生活習慣病が原因の「2型」が占めています。糖尿病は、全身の血管に障害を起こし、動脈硬化を進行させます。糖尿病が重症化すると、失明や腎不全による透析、足の壊死から切断などの合併症や、脳卒中、心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こしてしまいます。重症化する前に、できるだけ早期に受診し適切な治療を開始して、血糖コントロールをすることが大切です。

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健康診断・人間ドックで「再検査」・「要精密検査」を指摘された方

健康診断や人間ドックの結果において、生活習慣病や糖尿病、メタボリックシンドロームなどの疾患の疑いや指摘を受けたり、要再検査・要精密検査と言われたら、すでに動脈硬化が進行している可能性があります。重篤な脳疾患や心筋梗塞などの病気を予防するためにも、早期受診をお勧めしています。

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